佐賀県佐賀市に本社を構える橋口電機株式会社は、1946年に設立され、三菱電機の販売代理店として地域に根ざした事業を展開してきました。「職種や役職に関係なく、社員全員が等しく学ぶことができる機会や教育制度が必要だと感じていた」と語る同社・黒川様に、BottoKの定額制研修『学ばんばSAGA』を導入した背景や、サービス導入後の変化などについてお話を伺いました。社名:橋口電機株式会社(Webサイトはこちら)業種:電機製品(FA機器・設備機器)販売従業員数:約30名(2025年11月現在)課題:社員教育都道府県:佐賀県取材にご協力いただいた方:橋口電機株式会社 代表取締役常務 黒川 嘉昭 様橋口電機株式会社について佐賀に根差して80年、電機製品の販売会社― 自己紹介をお願いいたします橋口電機株式会社で代表取締役常務を務めております、黒川嘉昭と申します。高校を卒業するまでは佐賀で過ごし、その後は就職のために愛知県へ移りました。26歳のときに佐賀へ戻り、ご縁があって橋口電機に入社しました。平成2年入社なので、気づけば入社35年になります。私自身、ずっと営業畑です。外回りの仕事が好きですし、自分にも合っていると思っています。取締役になってからは、人事、人材育成、経営方針・戦略の策定など多岐にわたる業務に携わっていますが、引き続き営業も担当しており、会社全体を支えるような形で仕事をしています。― 企業概要について、教えていただけますか本社は佐賀県佐賀市にあり、長崎県佐世保市にも支店があります。来年には設立80周年を迎え、長年にわたり地域のお客様へ製品を提供してきました。主な事業は、三菱電機のFA(ファクトリーオートメーション)製品の販売です。お客様は佐賀県と佐世保エリアが中心で、電気機器・機械の製造メーカーをはじめ、自動車、半導体、食品、薬品、造船、鉄鋼、建設、電工など、様々な業界のお客様に製品をお届けしています。それ以外にも、ビル設備機器の昇降機(エレベーター・エスカレーター)やセキュリティ関連の製品なども扱っています。単に製品を販売するだけでなく、生産性の向上や効率化、省エネといった課題に合わせて、お客様ごとに最適なご提案をしております。従業員は約30名で、平均年齢は40歳前後です。外回りの営業職と内勤の事務職が中心で、女性社員も多く在籍していますが、そのほとんどが事務職として働いています。人材育成における課題環境の違いによる、“成長のばらつき”― これまでの社員教育について、お聞かせください『教育』という意味では、昔ながらの「現場で覚える」「先輩から学ぶ」という考え方が根底にあったと思います。研修の案内が届いた時など、「入社10年目の社員に受けさせてみては?」と所属長に確認すると、「忙しい時期なので、今は受けてもらう時間がないです」と言われることもよくありました。『教育のための時間』よりも、まずは目の前の仕事を優先するという思いからでしょうか。社員教育に重きを置いてなかったと言うと少し違うかもしれませんが、学ぶ時間があるなら、その分体を動かして働こう、という考えですね。ただ、今の若い人たち、特に平成以降の世代は、やはり『現場でみて学ぶ』といった考え方とは違うと思っています。ー 具体的に課題と感じていたことは?営業担当の時にも感じていたのですが、取締役になり会社全体を見るようになってから、本格的に問題意識をもち始めました。一人ひとりのおかれた環境によって、成長のスピードや身につくスキルに、気づかないうちに大きな差が生まれている、そんな状況が見受けられていました。部門ごとに取り扱う製品が異なり、その特性により社員の姿勢にも違いが出ていると感じていました。弊社では三菱電機の製品を主に取り扱っていますが、中には黙っていても売れるような人気商品もあれば、何度もお客様のもとへ足を運んでようやく1台購入していただける製品もあります。扱う製品の違いによって、お客様への向き合い方や感謝の伝え方など、社員の意識や心構えに差が生じていると感じていました。加えて、上司の教育に対する考え方や指導の仕方によって、成長のスピードに多少なりとも影響が出てしまっていると思います。さらに、営業職と事務職の間にもスキルや意識の差を感じていました。営業職は会社の売上に直結するため、『研修は営業担当のためにある』との考えが自然と生まれていたのだと思います。一方で、事務職は研修の機会がほとんどなく、結果として『事務職は研修を受ける必要はない』というような空気ができてしまい、職種間でも成長の差が広がってしまっていると感じました。公平な教育機会の提供が、社員成長の鍵管理職向けや新入社員向けなど、必要に応じて研修を受講させる機会は設けていました。新入社員の入社時期や、管理職に昇格したところでちょうど良い研修があれば、「じゃあ受けてもらおうか」という流れにはなる。しかし、社員によってはタイミングが合わず、受講機会を逃してしまうこともあったのです。全社員が等しく研修の機会を得られる仕組みは、これまで整っていませんでした。社員一人ひとりの成長、ひいては会社の持続的な成長のためにも、全社員が等しく学ぶ機会を得て、皆がスキルを磨ける環境は必要だと強く感じていました。サービス導入までの経緯研修導入は土台作りから。「人材育成」を経営方針へー BottoKとの出会いは?2年ほど前に、佐賀工業会主催のZ世代との付き合い方に関するセミナーに参加した際、BottoKさんと初めて知り合いました。その後、社長の坂田さんと営業担当の井手さんがお見えになられて、これがまた大変営業熱心だったこともあり(笑)、その頃からのお付き合いです。ー 定額制研修「学ばんばSAGA」、導入までの経緯を教えてください社員教育への必要性に関して、社内の方針説明会などで社員へ伝えていたものの、おそらく皆、「黒川は研修とか社員教育とか言ってるけど、特定の人しかやってないじゃないか」と思っていたと思うんです。そこで、社員教育を打ち出す前に、まずは土台となる経営理念と経営方針を見直し、今年度から人材育成を経営方針の一つとして位置づけることにしました。実はそのきっかけになった出来事があります。以前、社員向けの研修の中で講師の方が「会社の経営理念は何ですか?」と社員に尋ねたところ、誰一人としてすぐに答えられなかったんです。自分たちの仕事への思いと経営理念が結びついていないのではないか、とその時感じました。先先代から続いている、とても素晴らしい理念ではあるのですが、かなり長文で完璧に覚えるのもなかなか難しい内容です。「顧客に信頼される元気な企業を目指し、経営効率を追求。 企業と社会の発展と幸福を図り、企業としての責務を果たす」数名の社員が覚えていたのは「顧客に信頼される元気な企業」という冒頭部分だけでした。この出来事をきっかけに、経営理念について数年かけて考え、今年度、理念と方針をよりシンプルに整理することにしました。経営理念は「技術と信頼のパートナー」、経営方針は「拡販・人材育成・効率化・災害やパンデミックに強い会社づくり・働きやすい職場づくり」の5つです。自社主導での研修構築に限界を感じた社員全員に平等に学ぶ機会を与えるという考えのもと、人材育成を経営方針の一つに位置付け、会社として取り組む土台を作りました。ただ、社員一人ひとりの意識には差があります。自分の苦手分野を自覚し自ら克服しようとする社員もいれば、「数字さえ上がっていればそれでいい」という考えの社員もいる。研修に対する意識も、少しずつ差が開いていると感じていました。どのような社員にも学びとなる教育プログラムを自社で組もうとすると、やはり大変な作業になります。自らが主導し、教育体系や具体策を構築していくことに限界を感じていたところ、BottoKさんから定額制研修「学ばんばSAGA」のご提案をいただきました。導入の決め手豊富な研修コースと、導入しやすい価格設定ー 定額制研修「学ばんばSAGA」の印象はいかがでしたか?ご提案いただいた「学ばんばSAGA」は、約30の研修テーマが用意されており、受講対象も新人・若手から中堅、管理職、と幅広く設定されています。職位や役割に応じて研修を選べるため、社員一人ひとりに合わせたコースを選択できる点は大変ありがたいです。特に、事前に個別アンケートを実施し、苦手意識や課題を細かく分析して受講計画を立てるなど、個別対応が可能な仕組みは大きな魅力でした。また、サービス導入にあたり、会社の状況や課題を共有しながら「指針書」を作成したことで、研修の目的や1年後のゴールが明確になりました。準備されている研修内容が日常業務に取り入れやすく、実務に直結している点も導入を後押ししました。たとえば「報連相の基本」や「仕事の段取り術」など、すぐに実践できるテーマが多く、難易度も適切です。また、部下の評価に悩む上司に向けた『評価者のための人事評価の心得研修』など、まさに今抱えている課題にアプローチできる内容が揃っているのも心強いと感じました。料金体系も安心できる設定で、導入のハードルが大きく下がりました。弊社にも人材育成関連の方がよく営業に来られますが、価格が非常に高く、内容も難しいものが多い印象です。最近は特にAI関連が多いですね(笑)。費用対効果が見えづらい研修が多い中で、BottoKさんの研修は現実的な価格で、「これならやってみよう」と思えました。何より印象的だったのは、BottoKさんの営業姿勢です。私自身、長年の営業活動において「売って終わり」ではなく、感謝の気持ちをどう行動で示すかを大切にしてきました。そんな自分の営業観と重なる部分があり、購入前も購入後も足繁く通ってくださる姿勢には、素直に感心しています。研修をスタートして無理なく受講できる運用体制ー 研修がスタートして数ヶ月、社内の様子を教えてください導入して数ヶ月、業務の都合で急遽欠席した社員が2名ほどいましたが、計画に沿ってそれぞれがしっかり受講できているようです。研修会場は佐賀本社から近くにあり、とても便利です。研修は就業時間内に設定されており、数ヶ月前から受講計画を立てることができるので、事前に誰がいつ不在になるかがわかります。一回の研修は約2時間、職場で一人抜けてしまうと大変な場合もありますが、部門内でフォローし合いながら、調整しているように見受けられます。佐世保支店の社員は研修会場まで遠方であるため、オンライン受講で対応いただく予定となっており、全社員が受講できる体制は確保できています。研修の存在は、部下育成における「安心材料」ー 社員の方々の反応はいかがですか?以前より、育成に関する課題意識は社内でありました。業務の様々な面で苦手意識を抱えている部下たちの状況は、以前から上司たちも把握していました。しかし、「どう働きかけたらその苦手意識を克服し、成長へと導けるのか」「具体的にどう声をかけて支援したら良いのか」と、教育・育成方法がわからず、多くの上司が悩みを抱えていたのです。そのような中で、苦手意識を克服するための学びや取り組みが含まれている研修は、部下にとって自ら課題に気づき、成長につながる良いきっかけとなるのでは、という期待が生まれたのではないかと思います。実際に、「自分たちだけでは教えきれない部分を、研修がカバーしてくれている」という感覚があるようで、上司たちからは、「部下育成における安心材料になる」といった声を聞いています。レポート提出・上司のフィードバックで「学びの循環」研修に取り組む部下の姿を見る中で、上司自身も「どのような関わり方が成長につながるか」を考えるきっかけになっていて、部下が学ぶことで上司も学ぶという、良い循環が生まれていると感じています。研修を受けた後は必ずレポートを提出し、上司がフィードバックをしています。現在のところ100%の提出率です。レポート作成では、研修を受けるだけではなく学びを振り返り、改善や行動にどう繋げるかなど、自分の言葉でアウトプットします。上司もレポートに対してどうフィードバックするかを考えることが、本人だけでなく支える側の学びにもなります。ただ、フィードバックをする部下の人数に上司によって多少偏りがあるので、今後は、組織全体を見ながら調整して、会社として継続的に取り組める体制にしていきたいと考えています。思い描く会社の未来既成概念にとらわれず、誰もが活躍できる場にー 研修を通じて思い描く、会社の未来の姿を教えてください弊社では営業職は男性、事務職は女性、といった固定概念のようなものがありました。数ヶ月前までは、朝の社内清掃はすべて女性が就業時間前に行っていましたし、お客様が来社された時にお茶を淹れて出すのも女性の担当でした。日中は電話が鳴れば女性が取る、というように、そうした役割が当たり前のように長く続いていました。その影響もあってか、女性の中には「自分たちはそんな戦力とかじゃないから…」という雰囲気もあったと思います。ただ、SDGsのジェンダー平等や政府が進める男女共同参画社会基本法のとおり、性別に関係なく個性と能力を発揮できる社会が求められています。大企業や行政も本格的に取り組みを進めていますし、もう『そういう時代』なんだと思うんです。だからこそ、自分たちの会社も当然取り組んでいかないといけない。役割分担の見直しも含め、性別に関係なく皆が活躍できる環境づくりを進めていく必要があると感じています。今では、社内清掃は曜日ごとにグループを組み、誰が担当するかはグループに任せていますし、お茶淹れ当番もやめました。対応する社員が、ペットボトルのお茶を自分で用意してお出ししています。また、女性の制服も廃止しました。変更できるところはどんどん見直しながら、長く続いてきた既成概念も少しずつ変えていっているところです。理想は、「社員総出の営業スタイル」ー 社員の未来像もお聞かせくださいやはりどの業界も人材不足の問題を抱えていると思うのですが、当社も例外ではありません。新たに人を採用・育成していくのは難しい状況です。求人募集を出しても、なかなか応募がないのが現状です。会社の規模や、佐賀県・佐世保エリアでの知名度、初任給をはじめとした給与体系なども影響していると思います。弊社では、知人や取引先からの紹介で入社してくるケースが多いですね。つてを頼りに採用する状況が続いています。人材不足を補うためにも、まずは社内の事務作業をデジタル技術やAIを活用して効率化・省人化していきたいと考えています。そこで生まれた時間を、できるだけ営業に回して、少しでも多くお客様と接する時間に費やしていきたいと考えています。だからこそ、研修を通じて社会人としての基礎だけでなく、お客様のお役に立てる、そして成果につながるスキルを身につけ成長してほしいと思っています。目指すのは「社員総出の営業スタイル」です。極端に言えば、日中は事務所に誰もおらず、社員全員でお客様をどんどん訪問し、一人ひとりが営業担当として活躍するような姿です。事務作業も出先からPCを少し触るだけで当日完了するような、庶務事務のデジタル化が理想と思っています。一人ひとりの可能性を広げ、地域で信頼される企業へ大きな目的意識を持って入社してくることって、なかなかないと思うんです。かつての自分がそうだったように。目標を抱えて入社し努力する、次のステージに進むために能力を磨いてキャリアを築いていく、皆が皆そうではないと思います。だからこそ、決まった仕事だけでは引き出せなかった一人ひとりの可能性を広げていきたいです。研修を通じて自主性や創造性を育む機会にしてほしいと思っていますし、社員の成長が会社の生産性向上につながり、ひいては会社の利益に、社員への還元に、とつながっていくことが目標です。会社がどのようにして生き残っていくかが大きな課題だと感じています。生き残れなければ、社会に貢献しているとは言えませんし、地域のお役に立つこともできません。私たちは佐賀県と長崎県佐世保という限られた地域に根ざし、地域に育ててもらいながら商売を続けてきました。だからこそ、これからも地域から信頼され、お客様から選ばれる会社であり続けたいと考えています。そのためにも、研修を通じて社員一人ひとりが成長できる環境を整えていくことが大切だと思っています。地域やお客様への感謝の気持ちを忘れず、これからも会社として歩んでいきたいと考えています。※掲載内容は取材当時のものです。