DX・生成AI
浸透しなかったAI活用が、16名への研修で全社に波及——業務効率化で現状維持から新たな挑戦へ

日進化学株式会社 さま
製造業(メーカー)
100~299名

事例概要
抱えていた課題
・情報が人に依存・分散し、スピード感が阻害される構造を解消したいと考えていた。
・社内でAI活用を呼びかけるものの、ほとんど浸透していなかった。
BottoKによる支援内容
・対象:AI推進リーダーとして選出された16名(部署横断、役員含む)
・回数・時間:3回 × 2.5時間
・主な研修内容:生成AIの基礎・注意点/プロンプト設計/業務分解の手法/Slackボットのスキル活用/画像生成 ほか
導入後の効果・成果
・16名の参加者から刺激を受け、ほかの社員にもAI活用が広がった
・「なでしこ会議(女性事務員を中心とした会)」でのAI活用検討など、現場主導の取り組みもスタート
福岡に本社を置き、千葉工場をはじめ全国に拠点を持つ日進化学株式会社。ポリエチレンフィルムをはじめとする各種包装資材のメーカーとして、2,000社を超える顧客の小口・特注ニーズに応え続けてきました。
脱プラをはじめとする環境の変化に対応し、今後はもっと様々な領域に挑戦していく必要がある。そんな危機感から人材資本経営に取り組み、10年かけて社員たちの姿勢・マインドを育ててきた同社が次に直面したのは、「既存業務の膨大さ」と「AI活用の浸透」という壁でした。
社内で呼びかけても浸透しなかったAI活用が、なぜBottoKの研修を経て全社へ波及するようになったのか。今回は、同社で採用・人材教育を担う渡邉様にお話を伺いました。
取材はオンラインでの実施でしたが、BottoKの営業担当者は日進化学本社に伺い同席。渡邉様と担当者が並んで映る画面を見て、「記者会見みたいですね」「なんの会見ですか」と笑いながら、和やかに取材が始まりました。

会社名:日進化学株式会社(Webサイトはこちら)
事業内容:ポリエチレンフィルム製品、ポリプロピレンフィルム製品の製造販売、包装資材の販売
拠点:本社-福岡、工場-福岡・千葉、営業所-千葉・東京・静岡・岡山・宮崎・鹿児島
取材にご協力いただいた方: 日進化学株式会社 人事部 渡邉様
2,000社以上の直接取引で「現状維持」に追われる現場。新たな事業展開への壁は、AI活用による業務効率化
―― まずは、日進化学様の事業の成り立ちと強みについて教えていただけますか?
渡邉様:弊社は今年で56年目の会社で、ポリエチレンを利用したポリフィルムから袋やシートを作り、企業様向けに販売しています。
最初は最終加工品だけをして、それを営業が売りに行くスタイルでしたが、先代が原料からの一貫生産を目指して工場を展開し、現在に至ります。そうした経緯もあり、製造業としては珍しく自社に商社機能を持った営業がおりまして、九州を中心に2,000社を超えるお客様と直接取引しています。
サイズや幅、長さ、色まで、お客様に合わせて作るほぼ一点ものとなっていますね。
―― 2,000社以上との直接取引、しかもほとんどが特注対応となると、日々の顧客管理や事務業務のボリュームは相当なものになりますね。
渡邉様:そうなんです。でも、商社に一気に卸すやり方だと大手との資本力・価格の勝負になってしまうので、そうした会社の手が届かないニッチなところや、小口のニーズに対応していくスタイルを取っています。
ただ、今後はそれだけでなく、持っている技術を別の領域に転用していかないと生き残れないと思っています。うちが扱っているプラスチックは、SDGsや脱プラなどの流れで今後なくなってしまうかもしれないので。
そこでまず、社員に学ぶ姿勢や新しいことを受け入れるマインドを持ってもらう必要があると思い、10年かけて研修・教育を行ってきました。
その甲斐あってバイオプラントや消臭袋「ケスミン」など新しい取り組みも形になってきたのですが、どうしても日々の膨大な顧客管理に人を割きすぎていて、現状維持の業務で手が埋まってしまう。
「人がやらなくてもいい業務をAIに任せ、もっと新しい分野に出ていきたい」というのが次の大きな課題でした。
【顧客管理の課題例】

―― そこでAI化を目指されたわけですね。実際にSlack botを導入するなどAI化に向けた取り組みもされてきたそうですが、そちらの成果はいかがでしたか?
渡邉様:AI活用は全然浸透しませんでしたね。社長も「便利だよ」と呼びかけてはいたんですが、実際に使っていた社員は片手で数えられる程度で。
そういうものがあることは皆知っていたと思いますが、「使っていいのかなあ」とか「自分なりに使ってみたけど、結局そんなによくなかったよ」という反応でした。
なので今回、BottoKさんに社員たちの背中を押してもらおうと思いました。うちの特徴として「専門家に言われると弱い」というのがあったので(笑)。
座学ではなく「いじってみる・失敗してもいい」実践型カリキュラム。BottoKを選んだ理由
―― 確かに、「親など近しい人に言われるとやらない」みたいなことはありますよね。外部講師としては、だからこそ社長さんや人事の方が言いにくいことをあえて言うようにしているところはあります。
では今回、AI研修としてBottoKの「生成AI推進リーダー育成コース」を選ばれた一番の決め手は何だったのでしょうか。
渡邉様: 一番大きかったのは、ただ知識を教える座学ではなく「実際に課題を与えて、動かして、使わせる実践型の内容だったこと」ですね。
他社の研修なども含めて色々と見ていたのですが、知識を座学で教えるような研修が多い中で、BottoKさんは「課題についてグループワークをしたり、実際に動いてやってみたりするスタイル」だとお聞きして。
AIって、自分でいじってみないと分からないですし、実際触ってみるのが一番早いと思うんです。その点が、「まず触ってみる」ということに慎重なうちの社員にすごくフィットしていると感じました。
【BottoKの「実践型」AI研修】

―― 研修を受けたら受けっぱなしではなく、本当に業務に活かせるところまで持っていく。その点で、実践型の研修は効果的ですよね。
渡邉様:はい。それと、講師の尾倉さんの教え方や雰囲気も大きな決め手で、実は事前に指名をしていたんです。
上から教える感じがなくすごく柔らかい印象なのに、お話がとても論理的で、内容がスッと頭に入ってきたのが印象的で。
「この研修スタイルと教え方なら、うちの社員も楽しく講義を受けて、ちゃんとものにできそうだな」「現場の知的興味をくすぐってくれそうだな」と社長と話して決めました。
実際、長年社員教育に携わってきた私から見ても「さすがだな」と感じる講義内容でした。
16名の受講者から全社にAI活用が波及。「できた!」という成功体験を作る研修が、慎重な現場を一変させた
―― 嬉しいお言葉をありがとうございます!今回は生成AI推進リーダーとして選ばれた16名の方に受講していただきましたが、手応えはいかがでしたか?
渡邉様:うちは慎重な社員が多くて、「できなかったらどうしよう」と構えてしまうのが一番の課題でした。だからこそ、BottoKさんの「間違えてもいいから、まずやってみよう」と研修の中で実際にAIを触らせるアプローチがしっかりハマった印象です。
「私でも使えた!」「こんな答えが返ってきた!」という成功体験をその場で作ってくれた。ただ使い方を教わるだけじゃなくて、「自分でもできるんだ」という感覚を持たせてくれたことが本当に大きかったと思います。
私も社長と一緒に受講していたのですが、「やっぱりいいよね」「すごく面白いね」と話しながら受けていましたし、終わった後に社員同士で「今回の講義面白かったね」「すぐ使えそうだね」と話しているのを聞いて、「これは本当にお願いして良かったな」と思いました。
【研修後アンケート①】

―― アンケート結果でも「理解していない」がゼロになり、活用頻度も88%まで跳ね上がりました。実際の業務での変化はいかがですか。
渡邉様:使用量は本当に、明らかに変わりました。資料作成はもうほぼAIを使うようになっていますし、今回研修を受けたリーダーたちは同じ資料を複数のAIに作らせて精度を比較するなど、面白い応用までやり始めています。
それだけでなく、リーダーたちが「こんなことできたよ」と周りに見せることで、刺激を受けた他の社員にもAI活用が波及していますね。
―― 研修に参加していない社員の方へも広がったのですね!具体的にどのようなことがあったのでしょうか。
渡邉様:たとえば最近、学生さんと一緒に日進化学の課題を考える取り組みがあって、どんなお題を任せるか全社にアイデアを募集したんです。
すると、今まではこういうことに参加してこなかったような社員が、AIで文章を作成してドーンと送ってきたんですよ!
まだ「これAIが書いたな」と分かりますけど、考えはあっても文章にするのが苦手で提出できなかった社員が、AIというツールを得たことで一歩を踏み出せた。それが本当に嬉しかったですし、一歩前進だと感動しましたね。
その他にも、社長が女性事務員さんを集めて「なでしこ会議」を開き、業務でのAI活用案を膨らませたりと、良い影響がどんどん広がっているのを感じます。
【研修後アンケート②】

AIによる業務効率化の先に見据える、「新領域への挑戦」
―― 16名への研修をきっかけに全社へAI活用が広がり、手応えを感じていらっしゃるとのこと、本当によかったです。今後、このAI活用をどのように事業展開へ繋げていきたいですか?
渡邉様:まずは受講したリーダーたちが基礎を身につけてくれたので、今後は発注入力や在庫管理といった事務作業、既存顧客の管理業務など、人がやらなくてもいい仕事をどんどんAI化・効率化していきたいですね。
現状維持のための手がかかる業務が楽になれば、着手し始めている化粧品開発であったり、脱プラに向けた新たな素材開発であったり、そういった「次の領域」にももっと出ていけると考えています。
【BottoKがご提案するAI化の流れ】
PHASE1:個人のAI化(※今回ご支援)
AIを使いこなす力がなければ、どれだけ良いシステムも定着しない
AIを使える人が増えれば、業務のAI化のアイディアが現場から生まれる
PHASE2:業務のAI化
一部業務をAI化
AI活用が個人レベルを超え、ノウハウが蓄積
成功体験ができることで、大規模改革への社内合意が取れる
PHASE3:組織のAI化
既存システムを活かしたAI運用
人がやらなくていい業務を大幅削減
継続的にAI化を進める運用力の定着
渡邉様:それから実は今、私自身が社外向けに研修プログラムを提供できるライセンス取得を進めていて、これも事業化できないかと考えているんです。
ポリエチレンというモノづくりだけでなく、私たちが培ってきた「教育」そのものを新しい事業として育てていけたら面白そうだなと思っています。
―― AIで業務を効率化しリソースを生み出すことで、新たな分野に挑戦していく未来がより現実的になっていくということですね。
我々にできることはぜひさせていただければと思いますので、今後ともおつきあいさせていただけますと幸いです。この度は貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。
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経営層の戦略から現場一人ひとりの業務まで入り込み、九州を拠点に200社以上の地方企業と向き合ってきた"泥臭い伴走力"が、構想を確かな実行へと変えるエンジンになります。



